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LiV × LiVEs Part10:宗像 大島の地域おこし協力隊 近藤智子さん

執行 沙恵

LiV × LiVEs  Part10:宗像 大島の地域おこし協力隊 近藤智子さん

月に一度、さまざまな一次産業に関係する人たちとカウンター越しに語り合うLiV×LiVEs(リヴ×ライブ)。毎月変わる一夜店長。普段なかなか知り合う機会のない彼らが、どんなことを思い、どんな仕事をしているのか、生の声を酒の肴に交流を楽しむイベントです。 

 

10回目の店長は大島の地域おこし協力隊、近藤智子さん

近藤さんは2016年から大島で地域おこし協力隊として活動しています。栄養士、フードコーディネーター、デザイナーなど多くの技術を駆使して大島の特産品を使った商品開発を行っている彼女。今日はどんなお話が聞けるのでしょうか?

 

今日の助っ人は?

ゲストの近藤さんから呼ばれてボランティアで駆り出されたのは商工観光課 観光係長の尾園さん。仕事でも大島や近藤さんと関わる機会が多いことからこの度スタッフに抜擢されたのでした。飲まないと恥ずかしがり屋で喋れないとのことで、ドリンクの試作からアルコールを摂取、摂取!

本日の参加者には市役所関係者も多く、愛あるお客さんにあたたかくいじられつつ、止まらないALFスペシャルのオーダーにカウンターの2人はてんやわんや。冗談を飛ばしながら楽しそうにドリンクを作っていました。

2人で仲良くドリンク作り

 

この日は大島から近藤さんの応援が駆けつけ、開始30分後には店内はぎゅうぎゅうに。地域おこし協力隊として幅広く活動する近藤さんの顔の広さと行動範囲の広さを表していました。

 

本日のドリンク

ALF(アルフ)スペシャル

 

今日のオリジナルカクテルは宗像のブルーベリーを使った「ALF(アルフ)スペシャル」!アルコール入りはブルーベリーソースとウォッカをソーダで割ったもの。ウォッカの入っていないノンアルバージョンももちろん準備。とても爽やかでスイスイ飲めるカクテルでした。ちなみにドリンクの名前にある「ALF(アルフ)」というのは近藤さんが実家で飼っている愛犬の名前なのだそう。(笑)

 

ひとくちおつまみ

大島の甘夏を使った甘夏カステラ

 

そして毎回楽しみな一夜店長が持参してきてくれるひとくちおつまみ。今回は近藤さんが商品開発に携わった「甘夏カステラ」です!

特産品開発と情報発信を担うべく大島で地域おこし協力隊になった近藤さん。地域おこし協力隊になって初めて手掛けたのがこの甘夏を使ったカステラの商品開発なのでした。

「甘夏の果汁を使った特産品はあったんですけど、甘夏の皮は捨てられることが多いというのを聞いて、それを使って一つ商品開発ができないかなと思ったのがきっかけです。」

情報発信のために今日感テレビでPRしたり、県庁のロビー展で商品をPR発信したりしてきました。ロビー展では小川知事が一緒に写真を撮ってくれたりするサプライズも!

小川知事自ら写真撮影をしてくれたそう!

 

これまで手掛けたさまざまな活動

他にも婚活のイベントで甘夏をPRすることもあったそうです。

「みんながカップルになるようにチョコレートマフィンを作りました。そこに大島の甘夏を甘酸っぱく煮たピールを乗せて一緒に焼くことで、少しでも大島のPRになればと思って。」

楽しそうにドリンクを作る近藤さん

 

地域おこし協力隊であると同時に『アイランド大使』でもある近藤さんは地島でPRのお手伝いもしています。

「今は地島で採れるわかめを使って『茎わかめご飯の素』というのを作っています。普段わかめの茎の部分はカットして破棄されてしまうんですが、その部分を使って混ぜ込みタイプのご飯を作れないかという相談があり、今取り掛かっているところです。こだわりポイントとして、普通出汁といえば鰹節や昆布を使うことが多いんですが、鰹節を使ってしまうとわかめの茎の美味しさの前に鰹の香りや味が出てしまうので、昆布とスルメを使って、あまり出汁の香りは出さず、旨味を取り出す感じで作るなどの工夫をしています。」

『茎わかめご飯の素』は3月くらいには商品化できる予定。完成が楽しみです!

 

これまでどんなことをしていたの?

商品開発の他にもチラシのデザインを行うなど、視覚的情報発信も得意とする近藤さん。地域おこし協力隊になる以前にはどんな仕事をしてきたのでしょうか?

パネルを使いながら話をする近藤さん

 

「もともと栄養士の学校を卒業して栄養士として働いていたんですが、飲食の世界に入りたいなと思うようになり、フードコーディネーターの資格をとりました。そして飲食店の立ち上げに携わり、メニュー開発やコンセプトを一緒に考えたりしていました。」

仕事の拠点は日本各地。ときにはアラスカに行ってラーメン専門店の立ち上げに関わったり、メキシコの近くに位置するグァテマラに行って、向こうで出しているチキンのファストフードを日本にもってくるようなこともしていたそう。

近藤さんは福津市の出身。それまで世界をかけ回るような仕事をしていたのに、今は地元と目と鼻の距離にある宗像にいる。その理由は何なのでしょうか?

参加者の合いの手に大爆笑が起こる会場

 

「もともと地域おこし協力隊になろうと思っていたわけではないんです。ネットを見ていたときに、たまたま大島で特産品開発の地域おこし協力隊を募集している記事を見つけて。それまで飲食の世界で商品開発していたけど、特産品開発もやってみたいな、チャレンジしてみたいなという気持ちで応募しました。」

この他に、大島にある特別なイメージがあったこともお話してくれました。

「子どもの頃バレーの試合で大島に行ってたんですけど、そのとき感じた大島の印象が強く残っています。バレーボールを応援するお母さんたちがやさしくてパワフルで、『良い島だなぁ』って。そのイメージも背中を押してやってみようという気持ちになりました。」

近藤さんと知り合って3年目になる近しい人たちもこれには「そんな話初めて聞いたー!」と驚き。

普段よく顔を合わせる間柄でも「実は…」な話が掘り起こされる。そんな場所がここLiV×LiVEsなのです!

 

そしてここで嬉しい報告が!

拍手喝采!その理由は…?

 

みなさん『うみぽす』というのをご存知でしょうか?海のポスター、略して『うみぽす』。これはポスターを見た人がその海に来てくれることを目的につくられるもので、地元の海に人を集めることを目的にした参加型の地方創生プロジェクト。もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

>>「うみぽす」とは?

『うみぽす』では毎年ポスターを応募することができ、今回3年ぶりに応募することに。すると今年は、な、なんと!近藤さんが作成したポスターが準グランプリを獲得!そのポスターがこちら!

うみぽす2019年準グランプリ!

 

6月のLiv×Liveに登場したしまカフェも力を入れている七夕まつり。この日は数え切れない竹灯籠で会場が彩られます。

「竹灯籠で彩られた景色が本当に綺麗で、私にとっては大島で一番心に残ったイベントです。大島は七夕伝説発祥の地と言われているのでそういうところでもPRできないかと思って、しまカフェさんと一緒にポスターを作成しました。」

この件で近藤さんはじめ、しまカフェの成田さんと草野さんが東京に招待されているとのこと!近藤さんは「表彰式で東京に行けるのをゆみさん(草野さん)が喜んでくれたのが一番嬉しかった」と笑顔で話します。

そして表彰してくれるのはなんと、数年前に大島を訪れてくれた安倍総理の奥さん、安倍昭恵さん。安倍昭恵さんの夫である安倍総理の先祖、安倍宗任のお墓はなんと大島に祭られているのです!昭恵さんは「必ず行きます」と言った一年後に本当に大島に来てくださり、草野さんのmusubi cafeにも立ち寄ったエピソードも。なかなかご縁がありますね。

ポスターデザインは宗像市の中でも好評。張り出されるのが楽しみです!

 

さいごに

今年度で地域おこし協力隊の任期が満了になる近藤さん。これからどんなことをしたいですか?

「将来的には自分のお店を持ちたいと考えています。そのときはみなさん、ご飯食べに来てくださいね。」

とても楽しみですね!

ちなみにサポートに入った尾園さんに、近藤さんってどんな人?と聞いてみました。すると、「お母さんです」と一言。お母さんみたい、じゃなくてお母さんなんですね。(笑)これには一同大爆笑。

「今日誰も来なかったらどうしよう」と不安がる近藤さんと、「そうなったら私も責任を感じます」と心配していた尾園さん。結果的にリキュールや炭酸水を買い足しに走らなければならないくらい大盛況であっという間に終了時間になり、最後は尾園さんの博多三本締めで幕を閉じたのでした。

近藤さん、尾園さん、本当にお疲れさまでした!

満面の笑み!(スミノフの中は空!)

 

取材・文・写真:執行沙恵

※この記事は2019年LiVE KiTCHENで毎月開催されていたイベント「LiV×LiVEs」のレポートを転載したものです。

執行 沙恵
記事を書いた人の情報
執行 沙恵
MOKでは主に記事作成を担当。1986年福岡市出身、宗像在住。市民活動・NPOセンタースタッフ兼、フリーでデザイン/ライターも。臨床検査技師として病理検査室に勤務のち、金融機関で4年営業職を経験しコミュニケーション力を鍛える。NPO法人福岡テンジン大学との出会いをきっかけに自分の住む「まち」との関わり方を考えるようになり、縁あって宗像市の市民活動を支援・コーディネートする現職に落ち着く。2020年に息子が生まれ、海の幸、山の幸、自然環境、さらには人の温かさあふれる宗像の魅力をそれまで以上に感じながら育児を楽しんでいる。育児と仕事をバランスよく楽しむ方法を模索中。 B'zファン歴21年。カラオケと猫とスイーツが好き。
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